「お清めの塩」の正しい使い方とは?意味とは?
葬儀の作法・知識
葬儀後のお清めの塩:正しい使い方と知っておきたいマナー・宗教観
お通夜や告別式の帰り際、小さな袋に入った「お清めの塩」を受け取った経験はありませんか?多くの方が習慣として使用していますが、「そもそもなぜ塩で清めるの?」「正しい使い方は?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、日本の葬儀における「お清めの塩」の由来と意味を解説するとともに、正しい使い方とその際の注意点を詳しくご紹介します。特に、近年増えている「塩を必要としない」宗教・宗派の考え方も知ることで、より深く葬儀マナーを理解できます。

1. お清めの塩とは?その由来と意味
なぜ葬儀の後に塩を使うのでしょうか?その習慣は、日本の古い宗教観に基づいています。
① 古代からの「穢れ(けがれ)」の概念
日本の神道では、「死」は穢れ(けがれ)であるという考え方があります。この「穢れ」は、単に不潔という意味ではなく、「気枯れ」、つまり生命力が弱まった状態を指します。葬儀に参列することで、この穢れが自宅に持ち込まれてしまうと考えられていました。
② 塩による清めの儀式
古来より塩は、清浄な力を持つと考えられ、神事において穢れを祓う(はらう)ために使用されてきました。この神道の考え方が仏教が普及した後も民間の習慣として残り、葬儀後に塩で身を清める「清め塩」の習慣として定着しました。
💡 豆知識:力士の塩まき
大相撲の力士が土俵に塩をまくのも、土俵という神聖な場所を清め、力士の心身を祓い清める意味が込められています。

③ 仏教的な意味合いは薄い
興味深いことに、仏教の教えには、本来「死=穢れ」という考え方や、塩で清めるという習慣はありません。特に、浄土真宗など一部の宗派では、故人は亡くなるとすぐに仏になるとされ、「穢れ」の概念がないため、お清めの塩を渡す習慣がありません。
現在、お清めの塩が広く行われているのは、宗教的な教義というよりも、民間の慣習として深く根付いているためだと言えます。

2. お清めの塩の正しい使い方(図解と手順)
お清めの塩を渡されたら、自宅に入る前に使用するのが基本です。正しい手順を踏んで、身を清めましょう。
使用するタイミング:必ず玄関先で
お清めの塩を使うタイミングは、自宅の玄関前です。
- 自宅に到着したら、玄関の扉を開ける前、または玄関をまたぐ前に行います。
- 絶対に家の中で塩を使ったり、使った後に家の中へ入ってはいけません。
使い方と手順(上から下へ)
- 準備: 玄関先で、小袋に入った塩(清め塩)を、誰か(家族など)に持ってもらうか、地面にそっと置きます。
- 背中にかける: 塩を右手でひとつまみ取り、自分の左肩にかけます。
- 胸にかける: 次に、右手で塩を取り、自分の右肩にかけます。
- 足元にかける: 最後に、塩を自分の足元(地面)に振りかけます。
この「背中→胸→足元」の順番で、体の上から順に穢れを祓い、足元で大地に返すという意味が込められています。
終了後の動作
- お清めの塩の使用が終わったら、そのまま残った塩を踏みつけながら玄関をまたぎ、家の中へ入ります。
- 玄関に入った後は、すぐに手を洗い、可能であればうがいをします。
💡 重要!誰かに振りかけてもらう?
昔の習慣では、家族など自宅で待つ人が参列者の背中に塩を振りかけることもありましたが、現在では自分で使用するのが一般的です。他人に塩を振りかける行為は、相手に「穢れている」と伝えるようで失礼にあたる可能性もあるため、自分で行うようにしましょう。

3. お清めの塩に関するマナーと注意点
間違った使い方をしないよう、以下のマナーと注意点を守りましょう。
1. 玄関の掃除は後回し
塩を使った後の玄関先が汚れますが、すぐに掃き掃除をしてはいけません。塩と一緒に穢れを外に留め置くという意味があるため、最低でも一晩はそのままにしておき、翌朝になってから掃除をするのが良いとされています。
2. 塩を使うことを拒否しても問題ない
たとえ葬儀社から塩を受け取ったとしても、「塩を使わなければならない」という決まりはありません。
- 特に、仏教の教えを深く信仰されている方の中には、「塩による清め」の習慣がないため、あえて使用しない方もいます。
- 塩は強制ではありませんので、ご自身の宗教観や考え方に応じて、使用するかどうかを判断して問題ありません。
3. 故人の宗派を確認する
ご遺族が浄土真宗であった場合は、葬儀社がお清めの塩を渡しても、ご遺族としては「使わないでほしい」という意向の場合があります。
- もし故人の宗派が浄土真宗と分かっている場合は、ご遺族の考えを尊重し、塩の使用は控えるのが最も丁寧なマナーです。
- 渡された塩は、ゴミとして処分しても問題ありません。
4. 塩を渡し忘れたら?
もし葬儀後、ご遺族や葬儀社が塩を渡し忘れてしまった場合や、すぐに塩を使う環境になかった場合は、あまり気にしすぎる必要はありません。
- 帰宅後、すぐに手洗い・うがいを行い、服を着替えることで十分身を清められたと考えられます。
- 不安な場合は、自宅にある食塩を代用しても構いません。

4. まとめ:強制ではない「心の区切り」としての儀式
お清めの塩は、日本の伝統的な慣習であり、科学的な根拠があるものではありません。しかし、葬儀という厳粛な場から日常に戻る際、塩を使うことで「死の穢れを祓い、気持ちを切り替える」という心の区切りの役割を果たしていると言えます。
宗派によっては使用しない習慣もありますので、強制ではありませんが、使用する場合は、必ず玄関先で上から下へという正しい作法で行いましょう。
葬儀のマナーには様々な習慣や考え方が存在しますが、最も大切なのは、故人とご遺族への心からの弔意です。
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